モンゴル国におけるアルコール消費の問題は長らく注目されてきましたが、大統領府の健康、スポーツ、社会政策アドバイザーで医学博士のT. Munkhsaikhan氏の発表によれば、国家運動「健康なモンゴル人」の一環としての取り組みが実を結びつつあります。

アルコール消費の増加
Munkhsaikhan氏によると、過去10年間でモンゴル国内のアルコール消費は3.2倍に増加。これに危機感を感じた政府は、アルコール消費を削減する43の施策を発表しました。
初の成果
そして2023年、これらの施策の成果がついに現れました。最初の8ヶ月間でアルコールの販売は初めて200万リットル減少。これは、2022年には1600万リットルのアルコールが販売されたのに対し、今年は1400万リットルに減少したことを意味します。
施策の進展
低度アルコール飲料の消費は増加する一方で、高度アルコール飲料の消費は減少。特に過去数年間で最も売れていた38度のアルコール飲料の消費が顕著に減少しました。アルコール度数を減少させる方針が毎年進められているため、この傾向は今後も続くと見られます。
特別基金の設立
さらに、アルコール消費を減少させるための特別基金が設立され、40億トゥグリクが投じられました。この基金はアルコール消費の削減と、依存症患者への治療費用に充てられています。その結果、アルコール関連の犯罪は昨年と比較して15.8%減少しました。
今後の展望
Munkhsaikhan氏によれば、若者がアルコールを適切に利用し、ハイリスクグループへの影響を特定する取り組みや、依存症患者への治療に焦点を当てることで、アルコール飲料の消費削減とそれに伴う社会的、経済的な影響の軽減が期待されます。
この基金が効果的に使われれば、来年にはさらに良い結果が期待でき、モンゴル国内のアルコール飲料消費は更に減少する可能性があるとのことです。