鳥取県の外国人在留状況の変化と地域社会への影響

1. 目次

   • 1 外国人登録者数の推移
   • 2 国別外国人の増加傾向
   • 3 在留資格別の特徴
   • 4 地域における外国人の役割と影響
   • 5 今後の展望

   外国人登録者数の推移

鳥取県の外国人登録者数は、2010年の3,517人から2023年には5,510人にまで増加しています。この13年間で、外国人登録者数は約1.57倍に増え、特に2019年以降、大きな増加が見られます。全国的にも外国人の数は増加していますが、鳥取県の増加率は比較的高いと言えるでしょう。この背景には、地方都市での外国人労働者の受け入れが進んだことや、地域経済の活性化を支えるための外国人材のニーズが高まったことがあると考えられます。

2. 国別外国人の増加傾向

中国

中国出身者の人数は、2010年の739人から2023年には725人とほぼ横ばいです。中国からの移住者は減少することなく安定しており、依然として鳥取県内で一定の規模を維持しています。

韓国・朝鮮

韓国・朝鮮出身者の人数は、2010年の1,589人から2023年には871人に減少しました。これは、韓国や朝鮮からの移住者が減少している傾向を示しており、他国からの移住者が増加していることが影響していると考えられます。

ベトナム

ベトナムからの移住者は、2016年頃から急増し、2023年には1,492人に達しました。これは、技能実習生や留学生としての受け入れが増加していることを示しており、ベトナムからの人材は鳥取県における重要な労働力となっています。

フィリピン

フィリピンからの移住者も着実に増えており、2010年の467人から2023年には669人に増加しています。特に介護や製造業など、フィリピン出身者は多くの業種で活躍しています。

インドネシア・ミャンマー

インドネシアは2016年以降、人数が増加し、2023年には417人に達しました。同様に、ミャンマーからの移住者も増加し、2023年には258人に達しています。これらの国々からの移住者は、主に農業や製造業などの分野で需要が高まっています。

3. 在留資格別の特徴

2023年時点で、鳥取県の外国人在留者の在留資格には、以下の特徴があります。

• 技能実習：1,731人（約31.4%）
• 特定技能：543人（約9.9%）
• 永住者：1,049人（約19.0%）
• 留学：362人（約6.6%）
• 技術・人文知識・国際業務：242人（約4.4%）

特に目立つのは、技能実習生の数が最も多い点です。これは、鳥取県内の農業や製造業で外国人労働者が重要な役割を果たしていることを示しています。また、特定技能の在留資格を持つ外国人も増加しており、これが地域の労働力不足を補っていると考えられます。

さらに、永住者が多く、地域への定着が進んでいることがわかります。外国人が長期間、または永続的に地域に定住することで、地域社会の多文化共生の意識も高まっていると言えるでしょう。

4. 地域における外国人の役割と影響

鳥取県の外国人在留者は、主に技能実習生として労働市場に参加しており、特に農業や製造業などの分野で重要な役割を果たしています。例えば、農業では労働力不足が深刻化しており、外国人実習生が欠かせない存在となっています。特定技能を持つ外国人は、介護や建設業、製造業など多様な分野で活躍しており、地域経済の発展にも寄与しています。

また、永住者が増加していることは、地域における外国人の定住化が進んでいる証拠であり、地域社会における外国人との共生が進んでいることを意味します。これにより、異文化交流が活発化し、多文化共生の地域づくりが進んでいることが期待されます。

5. 今後の展望

今後も、鳥取県における外国人在留者の増加は続くと予想されます。特に、技能実習生や特定技能を持つ外国人の受け入れが進み、地域経済を支える労働力となるでしょう。さらに、アジア諸国からの多様な人材の受け入れが進むことにより、鳥取県内の産業はますます多様化し、地域の活性化が期待されます。

また、永住者の増加は、地域社会における外国人との共生が進むことを示唆しています。今後は、外国人住民と地域住民が互いに理解し合い、共に成長できるような社会づくりが重要になってくるでしょう。