山梨県における外国人住民の動向と特徴

1. 目次

   • 1 外国人住民数の推移
   • 2 外国人住民の在留資格の特徴
   • 3 外国人住民の国別構成
   • 4 外国人住民の特徴と地域への影響

   外国人住民数の推移

山梨県における外国人住民の数は、ここ数年で顕著に増加しています。2016年には約14,900人だった外国人住民数は、2021年には約17,100人に達しました。特に2019年に17,179人とピークを迎え、その後も安定した数字を保っています。コロナ禍においても、外国人住民数は大きな減少を見せることなく、17,000人以上を維持しています。

外国人住民数の推移（2016～2021年）

• 2016年：14,920人
• 2017年：15,636人
• 2018年：16,073人
• 2019年：17,179人（ピーク）
• 2020年：17,125人
• 2021年：17,163人

この増加傾向は、山梨県が他の都道府県と同様に、外国人住民の定住先として魅力的な地域となっていることを示しています。

2. 外国人住民の在留資格の特徴

山梨県に住む外国人の多くは、長期的に定住していることが分かります。外国人住民の約60%が「身分に基づく在留資格」を持っており、その内訳は以下の通りです。

• 永住者：37.8%
• 定住者：11.2%
• 日本人の配偶者等：7.2%
• その他：4.1%

また、技能実習や専門職として働いている外国人も多く、これらの在留資格を持つ人々は地域経済にも貢献しています。具体的には、以下のような在留資格が目立ちます。

• 専門的・技術的分野：13.3%
• 技能実習：11.6%
• 留学・家族滞在：11.2%
• 特定活動：2.6%

特に、技能実習生や専門職として働く外国人は、地域の産業において重要な役割を果たしています。

3. 外国人住民の国別構成

山梨県に住む外国人は、国別に見ても非常に多様です。アジアからの移住者が多い一方で、南米からの移住者も存在し、多文化共生の実態が伺えます。

外国人住民の国別構成（上位5か国）

1. 中国：21%（3,602人）
2. ベトナム：17%（2,858人）
3. ブラジル：16%（2,833人）
4. フィリピン：12%（2,011人）
5. 韓国：10%（1,646人）

中国やベトナム、フィリピンからの移住者が多く、特にブラジルからの住民が一定の割合を占めていることが特徴です。南米系のブラジル人は、山梨県の産業にも深く根付いており、特に農業や製造業での活躍が目立ちます。

4. 外国人住民の特徴と地域への影響

(1) 安定した定住傾向

山梨県に住む外国人は、長期的にこの地に定住する傾向が強いことが分かります。永住者や定住者の割合が高いことから、地域社会にとって重要な人材となっていると言えるでしょう。特に日本人配偶者を持つ外国人が多いため、家族単位で地域に根付いているケースが多いです。

(2) 産業への貢献

技能実習生や専門職として働く外国人の存在は、山梨県の産業活動にとって不可欠です。農業や製造業を中心に、外国人労働力が地域経済の支えとなっており、特に少子高齢化が進む中で、外国人労働者の存在はますます重要になっています。

(3) 多文化共生の進展

山梨県は、多国籍の住民が共存する地域として、文化的な多様性が広がっています。異なる国籍の人々が互いに学び合い、地域の文化に貢献する姿勢が地域の国際化を進めています。これにより、山梨県は多文化共生を進めるモデルケースとして注目されつつあります。