はじめに
日本で外国人が就労するためには、適切な在留資格(一般的に「ビザ」と呼ばれます)が必要です。本ガイドでは、就労可能な17種類の在留資格について、それぞれの特徴、活動範囲、在留期間、申請条件、そして実際の適用例を詳しく解説します。

- 技術・人文知識・国際業務
この在留資格は、専門的な知識やスキルを要する職種に適用される最も一般的な就労ビザの一つです。
– 活動範囲: 大学などで学んだ知識や、母国の企業で培った経験などと関連する活動。単純労働は含みません。
– 具体例:
– IT技術者:ソフトウェア開発、システム設計
– デザイナー:グラフィックデザイン、UX/UIデザイン
– 通訳・翻訳者:ビジネス通訳、技術文書の翻訳
– マーケティング専門家:海外市場開拓、デジタルマーケティング戦略立案
– 在留期間: 5年、3年、1年、または3か月
– 申請条件:
– 大学卒業以上の学歴、または同等の専門知識・技能(10年以上の実務経験)を有すること
– その専門分野に関連する仕事に就くこと
– 日本人と同等以上の報酬が得られること(一般的に年収300万円以上)
– 統計: 2023年の出入国在留管理庁の統計によると、この在留資格での在留外国人は約262,000人でした。
申請プロセス:
- 雇用先の企業が地方出入国在留管理局に在留資格認定証明書を申請
- 認定後、外国人本人が母国の日本大使館・領事館でビザを申請
- 来日後、空港で在留カードを受け取る
- 企業内転勤
海外の事業所から日本の事業所へ転勤する外国人向けの在留資格です。
– 活動範囲: 外国の事業所から、日本にある支店・本店などへの転勤者。活動の範囲は「技術・人文知識・国際業務」に準じます。
– 具体例:
– 多国籍企業の日本支社に転勤する管理職
– 外資系IT企業の日本オフィスに派遣されるエンジニア
– 在留期間: 5年、3年、1年、または3か月
– 申請条件:
– 転勤元の会社で1年以上勤務していること
– 日本で従事する業務が「技術・人文知識・国際業務」の範囲内であること
– 日本の事業所で同等の地位と報酬が保証されていること
– 統計: 2023年の統計では、約16,400人がこの在留資格で滞在しています。
特記事項:
– 企業内転勤者は、日本の労働市場に直接影響を与えないため、比較的取得しやすい在留資格とされています。
– 転勤期間終了後、「技術・人文知識・国際業務」への在留資格変更が可能です。
- 介護
介護分野で働く外国人向けの在留資格です。高齢化社会に対応するため、2017年に新設されました。
– 活動範囲: 介護福祉士の資格を有する者が、介護または介護の指導に従事する活動
– 具体例:
– 特別養護老人ホームでの介護業務
– デイサービスセンターでの介護サービス提供
– 訪問介護員としての在宅介護
– 在留期間: 5年、3年、1年、または3か月
– 申請条件:
– 日本の介護福祉士国家資格を取得していること
– 介護施設等と雇用契約を結んでいること
– 日本語能力試験N4以上、または介護日本語評価試験合格していること
– 統計: 2023年時点で、約9,300人がこの在留資格で滞在しています。
特記事項:
– EPA(経済連携協定)による介護福祉士候補者の受け入れとは別の制度です。
– 今後、高齢化の進行に伴い、需要の増加が見込まれています。
- 技能
特定の技能や技術を要する職種のための在留資格です。
– 活動範囲: 産業上の特殊な分野に属し、熟練した技能を要する活動
– 具体例:
– 外国料理の調理師:寿司職人、イタリア料理シェフ
– スポーツ指導者:サッカーコーチ、ヨガインストラクター
– 航空機の操縦者:外国航空会社のパイロット
– 貴金属等の加工職人:ジュエリーデザイナー、時計職人
– 在留期間: 5年、3年、1年、または3か月
– 申請条件:
– 10年以上の実務経験を有すること、または日本政府認定の技能検定に合格していること
– その技能を活かせる職に就くこと
– 日本人と同等以上の報酬が得られること
– 統計: 2023年の統計では、約42,500人がこの在留資格で滞在しています。
特記事項:
– 技能実習とは異なり、既に高度な技能を持つ外国人を対象としています。
– 伝統工芸や特殊技能の分野で、日本の産業・文化の維持発展に貢献しています。
- 高度専門職(1号・2号)
高度な能力を持つ外国人材を対象とした在留資格です。日本政府が積極的に誘致を進めている分野です。
– 活動範囲:
- 高度学術研究活動
- 高度専門・技術活動
- 高度経営・管理活動
– 具体例:
– 研究者:ノーベル賞級の科学者、AI研究の第一人者
– 大学教授:世界的に著名な学者
– 企業経営者:グローバル企業のCEO、スタートアップの創業者
– 在留期間:
– 1号:5年
– 2号:無期限
– 申請条件:
– 「高度人材ポイント制」において70点以上を獲得すること
– ポイントは学歴、職歴、年収、資格、日本語能力などで評価
– 統計: 2023年時点で、高度専門職1号の在留外国人は約22,400人、2号は約1,480人でした。
特別優遇措置:
– 複合的な在留活動の許可
– 在留期間「5年」の付与
– 永住許可要件の緩和
– 配偶者の就労
– 一定の条件の下での親の帯同
– 家事使用人の帯同
- 特定技能(1号・2号)
人手不足が深刻な特定の産業分野で働く外国人向けの在留資格です。2019年4月に新設されました。
特定技能1号
– 活動範囲: 特定産業分野(14分野)に属する相当程度の知識又は経験を要する業務に従事する活動
– 対象分野: 介護、ビルクリーニング、素形材産業、産業機械製造業、電気・電子情報関連産業、建設、造船・舶用工業、自動車整備、航空、宿泊、農業、漁業、飲食料品製造業、外食業
– 在留期間: 1年、6か月または4か月ごとの更新、通算で上限5年まで
– 申請条件:
– 分野別の技能試験及び日本語試験に合格すること
– 日本語能力試験N4レベル以上の日本語能力を有すること
特定技能2号
– 活動範囲: 特定産業分野(2分野)に属する熟練した技能を要する業務に従事する活動
– 対象分野: 建設、造船・舶用工業
– 在留期間: 3年、1年または6か月ごとの更新(更新回数の制限なし)
– 申請条件:
– 特定技能1号からのキャリアアップ
– 高度な技能試験に合格すること
統計: 2023年末時点で、約208,000人がこの在留資格で滞在しています。
特記事項:
– 特定技能1号は家族の帯同が認められませんが、2号は認められます。
– 今後、対象分野の拡大や受入れ人数の増加が見込まれています。
- 技能実習(1号・2号・3号)
開発途上国への技能移転を目的とした在留資格です。
– 活動範囲: 単純作業では修得できない技能を、実習によって習得するための活動
– 具体例:
– 縫製業での衣服の裁断・縫製技術の習得
– 自動車部品製造での金属加工技術の習得
– 農業での栽培管理技術の習得
– 在留期間:
– 1号:最長1年
– 2号:最長2年
– 3号:最長2年(合計で最長5年)
– 申請条件:
– 送出し国の公的機関による推薦
– 日本語能力試験N4レベル相当以上
– 18歳以上で、母国で同種の職務経験があることが望ましい
– 統計: 2023年時点で、約404,000人が技能実習生として日本に滞在しています。
特記事項:
– 労働力の供給を目的とする制度ではありませんが、実質的に人手不足を補う役割も果たしています。
– 労働環境や権利保護に関する問題が指摘されており、制度の見直しが進められています。
- 興行
芸能やスポーツ分野で活動する外国人向けの在留資格です。
– 活動範囲: 演劇、演芸、演奏、スポーツ等の興行に係る活動又はその他の芸能活動
– 具体例:
– 俳優:映画、ドラマ、舞台での演技
– 歌手:コンサート出演、レコーディング
– ダンサー:バレエ団や現代舞踊団での公演
– プロスポーツ選手:サッカー、野球などのプロリーグでの活動
– 在留期間: 3年、1年、6か月、3か月、または15日
-申請条件:
– 専門的な技能や経験を有していること
– 日本での公演や活動が確定していること
– 十分な報酬が得られること(一般的に月額20万円以上)
– 統計: 2023年の統計では、約2,500人がこの在留資格で滞在しています。
特記事項:
– 短期の興行活動の場合、「短期滞在」ビザで対応することもあります。
– 芸能活動の内容や報酬によっては、「技術・人文知識・国際業務」の在留資格が適用されることもあります。
- 医療
医療分野で働く外国人向けの在留資格です。
– 活動範囲: 医師、歯科医師、看護師など、法律上資格を有する者が行うこととされている医療に係る活動
– 具体例:
– 医師:病院での診療、手術
– 歯科医師:歯科クリニックでの治療
– 看護師:病院や介護施設での看護業務
– 薬剤師:調剤薬局での調剤業務
– 在留期間: 5年、3年、1年、または3か月
– 申請条件:
– 日本の医療資格(医師免許、看護師免許など)を有していること
– 日本の医療機関との雇用契約があること
– 十分な日本語能力を有していること
– 統計: 2023年時点で、約2,500人がこの在留資格で滞在しています。
特記事項:
– EPA(経済連携協定)に基づく外国人看護師・介護福祉士候補者の受け入れは別制度です。
– 医療通訳者は「技術・人文知識・国際業務」の在留資格で活動することが多いです。
- 研究
研究活動を行う外国人向けの在留資格です。
– 活動範囲: 日本の公私の機関との契約に基づいて研究を行う活動
-具体例:
– 大学の研究機関での学術研究
– 民間企業の研究所での製品開発研究
– 国立研究機関での科学技術研究
– 在留期間: 5年、3年、1年、または3か月
– 申請条件:
– 大学卒業以上の学歴または同等以上の研究能力を有すること
– 日本の研究機関との雇用契約または招聘があること
– 十分な研究実績や専門性を有すること
– 統計: 2023年の統計では、約1,300人がこの在留資格で滞在しています。
特記事項:
– 研究活動と併せて大学等での講義を行う場合、「教授」の在留資格が適用されることがあります。
– 高度な研究者の場合、「高度専門職」の在留資格を取得できる可能性があります。
- 教育
教育分野で働く外国人向けの在留資格です。
– 活動範囲: 小学校、中学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校、専修学校、各種学校又は設備及び編制に関してこれに準ずる教育機関において語学教育その他の教育をする活動
– 具体例:
– 小中高校での外国語指導助手(ALT)
– インターナショナルスクールでの教員
– 専門学校での専門科目の講師
– 大学での語学教師
– 在留期間: 5年、3年、1年、または3か月
– 申請条件:
– 大学卒業以上の学歴を有すること
– 教育機関との雇用契約があること
– 十分な教育能力や経験を有すること
– 統計: 2023年時点で、約14,100人がこの在留資格で滞在しています。
特記事項:
– JETプログラム(語学指導等を行う外国青年招致事業)参加者もこの在留資格で来日します。
– 大学の教授は通常「教授」の在留資格を取得します。
- 教授
大学等の高等教育機関で教育・研究を行う外国人向けの在留資格です。
-活動範囲: 大学若しくはこれに準ずる機関又は高等専門学校において研究、研究の指導又は教育をする活動
-具体例:
– 大学教授としての講義と研究
– 大学院での研究指導
– 高等専門学校での専門科目の教育
– 在留期間: 5年、3年、1年、または3か月
– 申請条件:
– 大学卒業以上の学歴と相当の研究実績を有すること
– 大学等との雇用契約があること
– 十分な教育・研究能力を有すること
– 統計: 2023年の統計では、約7,200人がこの在留資格で滞在しています。
特記事項:
– 「教授」の在留資格は、高等教育機関での教育・研究活動に特化しています。
– 研究のみを行う場合は「研究」の在留資格が適用されることがあります。
- 芸術
芸術分野で活動する外国人向けの在留資格です。
– 活動範囲: 収入を伴う音楽、美術、文学その他の芸術上の活動
– 具体例:
– 画家:個展の開催、作品制作
– 彫刻家:公共施設への作品設置
– 作曲家:楽曲制作、演奏会の開催
– 小説家:日本語での作品執筆、出版
– 在留期間: 5年、3年、1年、または3か月
– 申請条件:
– 芸術分野での高い実績や評価を有すること
– 日本での芸術活動計画が具体的であること
– 活動による十分な収入が見込まれること
– 統計: 2023年時点で、約580人がこの在留資格で滞在しています。
特記事項:
– 商業的な芸術活動(デザイン、広告制作など)は「技術・人文知識・国際業務」の在留資格が適用されることが多いです。
– 芸能活動は通常「興行」の在留資格に分類されます。
- 宗教
宗教活動を行う外国人向けの在留資格です。
– 活動範囲: 外国の宗教団体により日本に派遣された宗教家の行う布教その他の宗教上の活動
– 具体例:
– 宣教師としての布教活動
– 寺院や教会での宗教儀式の執行
– 宗教学校での教育活動
– 在留期間: 5年、3年、1年、または3か月
– 申請条件:
– 外国の宗教団体から正式に派遣されていること
– 宗教家としての資格や経験を有すること
– 日本の宗教法人等との契約があること
– 統計: 2023年の統計では、約4,100人がこの在留資格で滞在しています。
特記事項:
– 単なる信者や宗教団体の一般職員はこの在留資格の対象外です。
– 宗教活動と併せて語学教師等の職に就く場合、別途就労許可が必要になることがあります。
- 報道
報道活動を行う外国人向けの在留資格です。
– 活動範囲: 外国の報道機関との契約に基づいて行う取材その他の報道上の活動
– 具体例:
– 新聞社の特派員としての取材活動
– テレビ局のカメラマンとしての撮影
– 雑誌のジャーナリストとしての記事執筆
– 在留期間: 5年、3年、1年、または3か月
– 申請条件:
– 外国の報道機関との雇用契約があること
– 報道活動に関する十分な経験や能力を有すること
– 日本での具体的な報道活動計画があること
– 統計: 2023年時点で、約210人がこの在留資格で滞在しています。
特記事項:
– フリーランスのジャーナリストは通常この在留資格の対象外で、「技術・人文知識・国際業務」などの在留資格が適用されることがあります。
– 短期の取材活動の場合、「短期滞在」ビザで対応することもあります。
- 法律・会計業務
法律や会計分野で働く外国人向けの在留資格です。
– 活動範囲: 外国法事務弁護士、公認会計士その他法律上資格を有する者が行うこととされている法律又は会計に係る業務に従事する活動
– 具体例:
– 外国法事務弁護士としての法律相談
– 公認会計士としての監査業務
– 税理士としての税務相談
– 在留期間: 5年、3年、1年、または3か月
-申請条件:
– 日本で認められた法律・会計の資格を有していること
– 日本の法律・会計事務所等との契約があること
– 十分な実務経験を有すること
– 統計: 2023年の統計では、約150人がこの在留資格で滞在しています。
特記事項:
– 日本の弁護士資格を持たない外国人弁護士は、「外国法事務弁護士」として登録する必要があります。
– 国際的な会計事務所や法律事務所での勤務が多いです。
- 経営・管理
会社経営や管理職として働く外国人向けの在留資格です。
– 活動範囲: 本邦の公私の機関の経営を行い又は管理に従事する活動
– 具体例:
– 会社の代表取締役としての経営
– 外資系企業の日本支社長
– ベンチャー企業の創業者
– 在留期間: 5年、3年、1年、4か月、または3か月
– 申請条件:
– 事業の経営・管理に従事すること
– 事業所が実体的に存在し、一定規模以上であること(従業員2名以上または資本金500万円以上)
– 申請者が経営・管理の経験または知識を有していること
– 統計: 2023年の統計では、約37,500人がこの在留資格で滞在しています。
特記事項:
– 新規に会社を設立する場合、最初は4か月の在留期間が付与され、事業の実体が確認された後に更新が可能です。
– 投資や経営に関する具体的な計画書の提出が求められることがあります。

まとめ
日本の就労ビザ制度は、多様な職種と技能レベルに対応できるよう設計されています。それぞれの在留資格には特定の活動範囲があり、適切な資格や経験が要求されることがあります。
外国人材を雇用する企業や、日本での就労を希望する外国人は、この制度を十分に理解し、適切な在留資格を選択することが重要です。在留資格の申請や更新の際は、最新の情報を出入国在留管理庁のウェブサイトで確認し、不明点がある場合は専門家(行政書士など)に相談することをお勧めします。
適切な在留資格を取得することで、外国人材は日本での就労機会を最大限に活かすことができ、企業は多様な人材を適法に雇用することが可能となります。
グローバル化が進む現代において、このような制度を理解し活用することは、個人にとっても企業にとっても大きな利点となるでしょう。
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