2012年、モンゴル政府は国有企業エルデネス・タワン・トルゴイ社の株式の20%にあたる30億株を、同年4月11日以前に生まれた全国民に無償で分配することを発表しました。これにより、一人当たり約1,072株が割り当てられることになります。
エルデネス・タワン・トルゴイ社はモンゴルの主要炭鉱企業で、合計で150億株の株式を保有しています。今回の無償分配の対象となった30億株以外の80%は、モンゴル政府と他の企業が所有しています。当初、分配された株式は株式市場での取引が予定されていました。
政府の評価では、1人あたり1,072株は100万トゥグルグ相当とされています。これは1株当たり約933トゥグルグの時価となります。株式の分配により、国民全員がエルデネス社の共同所有者となった形です。
エルデネス社が運営するタワントルゴイ炭鉱は、モンゴル経済において極めて重要な位置付けにあります。同社は「2023年のモンゴルのTOP20企業」に選ばれるなど、国内有数の企業へと成長を遂げています。
このように、モンゴル政府による国有企業株式の無償分配は、国民の資産形成とともに、鉱業を中心とした経済発展に大きく寄与する政策と言えます。今後もエルデネス社の動向がモンゴル経済に及ぼす影響に注目が集まります。