岡山県の在留外国人数が過去最多に ～2023年末の最新状況を分析～

1. 目次

   • 1 国別の特徴：ベトナム人がトップに
   • 2 在留資格別の傾向：専門的な人材の受け入れ増加
   • 3 経年変化：着実な増加を見せる外国人在留者数
   • 4 今後の展望：多文化共生社会の実現に向けて

   国別の特徴：ベトナム人がトップに

岡山県の外国人在留者数において、最も顕著なのはベトナム人の急増です。2023年末時点で、ベトナム国籍の在留者数は11,695人で、全体の32.6%を占めています。2019年から続くこの増加により、ベトナムは中国を抜いて、県内の外国人の中で最多の国籍となりました。

具体的には、中国は7,018人（19.5%）で2位に位置し、続いて韓国が4,227人（11.8%）で3位となっています。これらの国々は、従来から岡山県における在留外国人の主要国籍を占めていましたが、近年では東南アジア諸国からの在留者が増加しており、インドネシア（2,871人）、フィリピン（2,415人）、ネパール（1,341人）、**ミャンマー（1,271人）**などが増加傾向にあります。この変化は、岡山県における多様化する外国人受け入れの傾向を反映しています。

2. 在留資格別の傾向：専門的な人材の受け入れ増加

次に注目すべきは、在留資格別の傾向です。2023年のデータでは、最も多い在留資格は**「技能実習」**で、**9,641人（全体の27%）**を占めています。これは、岡山県が引き続き製造業や農業などで外国人労働者を多く受け入れていることを示しています。

次いで、「永住者」が5,934人（17%）、「留学」が4,181人（12%）となっています。興味深い点は、「特定技能」（3,646人、10%）や**「技術・人文知識・国際業務」**（2,980人、8%）など、専門的な知識や技能を持つ外国人が増加していることです。これにより、単純な労働力だけでなく、専門的な人材の受け入れが進んでいることがわかります。特に、特定技能の増加は、岡山県が多様な産業分野において外国人材を求めていることを示しています。

3. 経年変化：着実な増加を見せる外国人在留者数

岡山県の外国人在留者数は、2018年12月末の28,158人から、2023年12月末には35,928人に増加しました。これにより、過去5年間で7,770人の増加があり、着実に増加傾向が続いています。特に、2022年から2023年にかけての増加が顕著であり、これはコロナ禍からの回復とともに外国人材の受け入れが活発化していることを示しています。

この増加は、岡山県の産業界が外国人労働者に対する依存度を高めていることを反映しており、地域経済の中で外国人がますます重要な役割を担っていることが伺えます。

4. 今後の展望：多文化共生社会の実現に向けて

今後、岡山県における外国人受け入れはさらに進展することが予想されます。特に、技能実習生や特定技能での在留者が多いことから、製造業や農業といった基幹産業で外国人材への依存度が高まるでしょう。また、永住者や特別永住者の増加もあり、地域社会への定着が進んでいます。

しかし、外国人受け入れが進む中で、多文化共生社会を実現するためには、在留外国人への支援体制の強化や、地域住民との交流促進が重要な課題となります。行政や地域社会が協力して、外国人が安心して暮らせる環境を整備することが求められます。

岡山県は、今後もその地域特性を生かし、外国人材の受け入れを積極的に進める一方で、地域との調和を図りながら、持続可能な社会を築いていく必要があります。