- 導入
外国人労働者の採用が増加している背景
少子高齢化による労働力不足
日本は少子高齢化が進行しており、労働力人口の減少が深刻な問題となっています。2019年の生産年齢人口(15〜64歳)は7,507万人で、総人口の59.5%を占めていました。しかし、2040年にはこの人数が5,978万人まで減少すると推計されています。この状況は、特に労働集約的な産業において、深刻な人材不足を引き起こしています。
特定産業分野におけるスキル不足
建設業、介護、IT業界などでは、スキル不足が顕著に表れています。例えば、2019年の有効求人倍率は、建設・採掘の職業が4.45倍、介護関連が4.20倍と、高い水準を示しています。これにより、企業は必要な人材を確保できず、業務の遂行に支障をきたしています。
グローバル化に伴う多様な人材の需要
グローバル化の進展により、企業は海外市場に進出する機会が増えています。そのため、多言語に対応できる人材や異文化を理解する能力を持つ人材が求められています。異文化理解やダイバーシティの推進は、企業の競争力を高める重要な要素となっています。
ビザや在留資格の重要性
適切な在留資格がなければ、外国人の雇用は違法
外国人労働者を適法に雇用するためには、適切な在留資格が必要です。在留資格がなければ、外国人の雇用は違法となり、罰則が科される可能性があります。具体的には、3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金、またはその両方が課せられることがあります。このようなリスクを避けるためにも、企業は慎重にビザや在留資格を確認する必要があります。
企業と外国人労働者双方の権利と義務を明確化
在留資格の取得は、企業と外国人労働者の双方にとって権利と義務を明確にする役割も果たします。労働条件、賃金、社会保険の加入などの基準を明確にすることで、労働者が安心して働ける環境を提供できます。これにより、企業は安定した雇用関係を築くことができ、外国人労働者も自分の権利が守られていると感じることができます。
円滑な雇用関係と適切な労働環境の確保
適切な在留資格に基づく業務内容の設定は、円滑な雇用関係の構築に不可欠です。また、労働基準法や最低賃金法などの関連法令を遵守することも重要です。これにより、外国人労働者が適切な労働環境で働くことができ、企業も安心して人材を活用できるようになります。
このように、外国人労働者の採用とビザ・在留資格の重要性は、相互に関係し合いながら日本の労働市場を支えています。今後もこの流れは続くと考えられ、企業は適切な対策を講じる必要があります。
- ビザの種類と特徴
特定技能ビザとは何か
特定技能ビザは、2019年4月に新設された在留資格で、人手不足が深刻な特定産業分野において、一定の専門性・技能を有する外国人材に与えられます。
- 特定技能1号
– 相当程度の知識または経験を要する技能が必要な業務に従事
– 在留期間:1年、6ヶ月または4ヶ月ごとの更新、通算で上限5年まで
– 家族の帯同は原則不可
- 特定技能2号
– 熟練した技能を要する業務に従事
– 在留期間:3年、1年または6ヶ月ごとの更新、更新回数に制限なし
– 家族の帯同が可能
対象となる14の特定産業分野
- 介護
- ビルクリーニング
- 素形材産業
- 産業機械製造業
- 電気・電子情報関連産業
- 建設
- 造船・舶用工業
- 自動車整備
- 航空
- 宿泊
- 農業
- 漁業
- 飲食料品製造業
- 外食業
新たな4分野を追加確定
- 自動車運送業
- 鉄業
- 林業
- 木材産業
他のビザとの違い
在留資格 | 目的 | 期間 | 専門性 | 家族帯同 |
特定技能1号 | 即戦力人材の受入れ | 最長5年 | 一定の専門性・技能 | 一定の専門性・技能 | 原則不可 |
特定技能2号 | 熟練技能者の受入れ | 更新制限なし | 熟練した技能 | 不可 |
技能実習 | 技能移転、国際貢献 | 原則最長5年 | 基本的な技能習得 | 不可 |
技術・人文知識・国際業務 | 専門的職業の従事 | 最長5年 | 最長5年 | 高度な専門性 | 可能 |
- ビザ取得のプロセス
必要な要件:
- 年齢:18歳以上
- 技能水準:
– 技能試験の合格
– 技能実習2号を良好に修了(試験免除)
- 日本語能力:
– 日本語能力試験N4以上
– 国際交流基金日本語基礎テスト合格
- 健康状態が良好であること
- 犯罪歴がないこと
- 保証金を徴収されていないこと
- 帰国担保がないこと
申請の流れ
- 技能試験と日本語能力試験の受験・合格
- 受入れ機関(雇用主)との雇用契約の締結
- 受入れ機関による在留資格認定証明書の申請
必要書類:
– 在留資格認定証明書交付申請書
– 雇用契約書の写し
– 技能試験合格証明書
– 日本語能力証明書
– 受入れ機関の登記事項証明書
– 受入れ機関の決算報告書
– 雇用条件書
- 在留資格認定証明書の交付
- 外国人による査証(ビザ)の申請
ビザ申請に 必要書類:
– 査証申請書
– パスポート
– 在留資格認定証明書
– 写真
- ビザの発給
- 来日・在留カードの取得
- 特定技能ビザの支援
生活オリエンテーションの重要性
- 日本の生活習慣や文化の理解促進
– 基本的なマナー(公共の場でのルール、ゴミの分別など)
– 日本の年中行事や地域の祭りの紹介
- 地域社会との円滑な関係構築
– 自治会や町内会の仕組み
– 地域のコミュニティイベントへの参加方法
- 労働関係法令や社会保険制度の説明
– 労働基準法の基本(労働時間、休憩、休日など)
– 社会保険(健康保険、厚生年金)と雇用保険の仕組み
支援機関の役割
- 登録支援機関の概要
– 出入国在留管理庁に登録された法人
– 外国人材の生活支援や雇用管理を代行
- 支援計画の作成と実施
– 個々の外国人材に応じた支援計画の策定
– 定期的な面談と支援の実施
- 具体的な支援内容
支援内容 | 具体的な支援内容 |
住居の確保 | 賃貸契約の補助 |
住民登録手続きの支援 | |
生活に必要な契約支援 | 銀行口座開設 |
携帯電話契約 | |
公共料金の契約手続き | |
日本語学習支援 | 地域の日本語教室の紹介 |
オンライン学習ツールの提供 | |
医療機関の案内 | 近隣の病院や診療所のリスト作成 |
多言語対応可能な医療機関の紹介 | |
相談・苦情対応 | 定期的な面談の実施 |
24時間対応のホットライン設置 |
- 注意点と最新情報
定期届出・報告の重要性
- 雇用状況の届出(四半期ごと)
– 届出内容:雇用している特定技能外国人の氏名、在留カード番号、雇用開始日・終了日など
– 提出方法:出入国在留管理庁の電子届出システムを利用
- 支援実施状況の届出(四半期ごと)
– 届出内容:支援計画の実施状況、生活オリエンテーションの実施日、相談対応の記録など
– 提出方法:出入国在留管理庁の電子届出システムを利用
- 活動状況に関する届出(年1回)
– 届出内容:特定技能外国人の活動状況、報酬の支払い状況、社会保険の加入状況など
– 提出方法:地方出入国在留管理局に書面で提出
最新の法改正やガイドライン
- 特定技能制度の運用状況を踏まえた見直し
– 2021年度の制度見直し:受入れ機関の基準の明確化、支援計画の簡素化など
– 今後の予定:2023年度に予定されている制度の全面的な見直し
2. 特定産業分野の追加や要件の変更
– 新たな特定産業分野の追加の検討(例:IT分野)
– 既存分野における受入れ要件の見直し(例:介護分野での技能試験の簡素化)
- 技能実習制度から育成就労制度へ
特定技能1号の取得要件には、試験合格のほかに「技能実習」からの在留資格変更が含まれています。近年、技能実習生が特定技能へ移行するケースが増加しており、その要因として技能実習制度の抱える多くの問題が挙げられます。具体的には、技能実習は労働力としての雇用を目的とした制度ではないにもかかわらず、実際には労働力として利用されている現状や、失踪者の増加、過酷な労働環境などが問題視されています。このため、技能実習制度は見直しが行われ、廃止が決定されました。
その代わりに新たに施行される「育成就労制度」は、特定技能制度への移行を前提とした在留資格であり、2年間で特定技能1号に移行できるスキルを育成することを目的としています。この制度では、単に育成するだけでなく、労働力として適切に雇用されることが求められます。育成就労制度の対象分野は特定技能と一致するように整備される予定であり、これにより技能実習制度での移行先がなかったという課題も解決されます。
このように、2つの制度が整理されて連携することで、外国人が日本でよりスムーズに、そして長期的なキャリアを築くことが可能になります。育成就労で2年間、特定技能でさらに5年間滞在し、特定技能2号を取得すれば、家族を呼び寄せることができ、更新の期限なしでの就労も可能になります。
これらの制度変更は、外国人にとって非常に魅力的であり、特定技能を目指す外国人が今後増加することが予想されます。企業にとっても、新たな人材を採用するチャンスが広がるでしょう。
6. まとめ
外国人労働者の採用におけるビザの重要性
1. 適切なビザ選択による円滑な雇用関係の構築
– 業務内容と在留資格の整合性確保: 外国人労働者を雇用する際には、業務内容に適した在留資格を選ぶことが重要です。これにより、法的なリスクを避けるとともに、労働者が安心して業務に取り組むことができます。- 長期的なキャリア形成の可能性: 適切なビザを取得することで、外国人労働者は日本でのキャリアを長期的に築くことができます。これにより、企業も経験豊富な人材を育成し、競争力を高めることができます。
2. コンプライアンス遵守と企業の社会的責任の履行
– 労働関係法令の遵守: 外国人労働者を適法に雇用するためには、労働基準法や最低賃金法などの関連法令を遵守する必要があります。これにより、企業は法的リスクを回避し、健全な経営を維持することができます。- 多様性を尊重する企業文化の醸成: 外国人労働者を受け入れることで、企業は多様性を尊重する文化を育むことができます。多様性を受け入れることで、社員のモチベーション向上やイノベーションの促進にもつながります。
3. 外国人材の権利保護と公正な労働環境の確保
– 差別のない職場環境の整備: すべての労働者が平等に扱われる職場環境を整えることは、企業の社会的責任の一環です。差別のない環境を提供することで、外国人労働者の定着率も向上します。- 適切な待遇と成長機会の提供: 労働者に対して公正な待遇を確保し、キャリアアップのための研修や教育機会を提供することで、企業は優秀な人材を確保しやすくなります。
今後の展望
1. 特定技能制度の更なる拡充の可能性
– 受入れ分野の拡大: 特定技能制度が対象とする分野の拡大が期待されています。これにより、より多くの産業で外国人労働者を受け入れることが可能になり、労働力不足の解消に寄与します。
– 在留期間の延長や要件緩和の検討: 在留期間の延長や、取得要件の緩和が検討されることで、外国人労働者が長期間日本で働ける環境が整う可能性があります。
2. 産業界のニーズに応じた制度の柔軟な運用
– 業界団体との連携強化: 業界団体との協力を通じて、特定の産業における人材のニーズに応じた柔軟な制度運用が進むことが期待されます。これにより、実際の労働市場のニーズに合った受け入れが可能になります。
– 地域特性を考慮した受入れ制度の検討: 地域ごとの特性やニーズに応じた受け入れ制度の検討が重要です。これにより、地方の人材不足の解消や地域活性化にもつながります。
3. グローバル人材の活用による日本経済の活性化
– イノベーション創出への期待: グローバルな視点を持つ人材の採用は、企業のイノベーションを促進する可能性があります。多様なバックグラウンドを持つ人材が集まることで、新しいアイデアや視点が生まれやすくなります。
– 国際競争力の向上: 外国人労働者の活用により、企業は国際的な競争力を高めることができます。特にグローバル市場での競争が激化する中、さまざまなスキルを持つ人材の存在は重要です。
このように、外国人労働者の採用は日本の労働市場にとって不可欠であり、適切なビザ制度と労働環境の整備が求められています。企業はこれらの要素を考慮しながら、持続可能な経営を目指す必要があります。
特定技能ビザは、日本の労働市場に新たな可能性をもたらす制度です。その活用には正確な知識と適切な手続きが不可欠ですが、同時に外国人材との相互理解と respect も重要です。企業は、この制度を理解し、外国人材と win-win の関係を築くことで、事業の発展と多様な職場環境の創出を実現できるでしょう。今後も制度の変更や改善が予想されるため、最新の情報に常に注意を払い、適切に対応していくことが求められます。
参考:
https://global-saponet.mgl.mynavi.jp/visa/1230
https://www.moj.go.jp/isa/index.html
株式会社BRAIST <BRAIST INC.>
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